
被災時、一度手を怪我してしまえば、その後の避難生活のすべてが停滞します。 瓦礫の撤去、割れたガラスの片付け、あるいは慣れない場所での調理など。そんな時、軍手では防げない刃物や鋭利な破片から守ってくれるのが、ワークマンの『防刃手袋』です。1,000円以下という低価格でありながら、欧州規格をクリアしたその「防御力」を検証します。

| 項目 | 検証データ / 詳細 |
| サイズ(実測) | 縦(H)/235mm 横(W)/130mm (Mサイズ) |
| 重量(実測) | 52g (Mサイズ両手) 装着していることを忘れる軽さとフィット感 |
| 耐切創レベル | 耐切創レベルとは、作業用手袋などの「切れにくさ」を示す国際規格です。以前は「1〜5」の数値表示でしたが、現在はより正確なA〜F表示が主流になっています。 レベルD(金属板の取り扱い・ガラス加工・建築・解体作業・シャープな工具を使う作業など) 「うっかり触れたらスパッと切れる」環境では、レベルC以上、できればD以上が推奨されることが多い。 |
| 素材 | ポリエチレン・金属繊維・ナイロン・その他 すべり止め部分:ニトリルゴム 強靭かつ滑りにくい |
| 操作性検証 | スマホ操作はなんとか可能レベル(モデルによる) 手袋を脱がずに情報確認 |
| 価格 | 980円 (税込) (2026年2月購入時) |
| 製造 | 中国 (MADE IN CHINA) |
この道具の「検証ポイント」3選
① 「レベルD」がもたらすバリアフリーな安心感
50代を過ぎると皮膚が薄くなり、少しの接触でも深く切れてしまい、特に治癒には若いころに比べると時間がかかります。 ワークマンの耐切創レベルDの手袋は薄手でありながら、カッターの刃を当てて滑って切れないほどの強度。「自分の手を過信せず、道具に守ってもらう」という、怪我を未然に防ぐバリアフリーな設計です。

メグル手袋をして鋭利なものをギュッと掴んでも「切れそう」な感覚はなく、守ってくれている安心感があります。
② ゴムコーティングによる「握力の補完」
掌(てのひら)部分のゴム臭のニオイが気にならないニトリルゴムが、強力なグリップ力を生みます。 「重いものを持ち上げる」「滑りやすい缶や瓶を開ける」といった作業で、少し衰え始めた握力を道具がサポートしてくれる実感があります。避難所では軍手などを支給されることもありますが、使い慣れた「自分道具」だと作業などでも自身への負担を軽減しつつ、大きな助けになりそうです。





サイズ選びを間違えなければ、かなり手にフィットしていて着け心地がいいです。
③ 日常の「DIY・園芸」にめぐらせる
防災リュックに眠らせておくのはもったいない。 庭木の剪定、粗大ゴミの解体、段ボールの処理。日常の「刃物を扱うシーン」で使い倒すことで、自分の手に馴染ませます。使ったことのない道具より「使い慣れた道具」がいざという時に一番頼りになります。
「めぐる。備え。」の視点
私はこの手袋を、記事でも紹介した『無印良品のエマージェンシーシート』と一緒にパッキングしています。『身体を温め、手を冷やさずに守る』。 この2つが揃うだけで、過酷な環境下でも『動ける自分』を維持できるからです。これだけ低価格で普段から使える汎用性があれば、家族全員分を揃えても負担が少なく最高の「先行投資」になります。これこそが、日常と非日常を賢くつなぐ、最高の引き算アイテムかもしれません。



手のひら部分に樹脂やゴムをコーティングした手袋で、背(手の甲)側はコーティングしていません。通気性が良くてムレにくく、スベリ止め効果は高いですが、防水仕様ではないため水回りの作業には不向きです。



自分の手を守る信頼のスコアである、「EN388(欧州統一規格)」とは手袋の「物理的な強さ」を判定するヨーロッパの標準規格です。日本では「JIS規格」もありますが、防刃手袋の多くはこの「EN388」の結果を性能表示として採用しているみたいですね。
| 評価レベル | ニュートン(N)※荷重の強さ | 耐性の目安 |
| A | 2N 以上 | 軽作業用 (段ボールの開封など) |
| B | 5N 以上 | 一般作業用 (カッターを扱う作業など) |
| C | 10N 以上 | 建築・土木作業 (薄い金属板の取り扱いなど) |
| D | 15N 以上 | 災害ボランティア・ガレキ撤去 (鋭利な金属など) |
| E | 22N 以上 | 高度な危険作業 (産業廃棄物処理など) |
| F | 30N 以上 | 最強レベル (極めて鋭利な刃物やガラスを扱う) |
※ 10ニュートン(N)は約1kgの荷重に相当します。



災害時のボランティアに行かれる方も、ガレキ撤去や壊れたガラスを片付けるシーンを想定するなら、レベルD、E、Fのいずれかを選んでおけば安心ですね。
まとめ:どんな人におすすめか?
①避難時の瓦礫やガラスによる怪我を絶対に避けたい方へ
②重い荷物を運ぶ際の、握力低下をカバーしたい方へ
③安価でも「規格(エビデンス)」に基づいた信頼性が欲しい方へ





重さはMサイズ両手分で52gでした。

